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bo-bo-記 rec.0101 01.02.16 「映画感想文『ダンサー・イン・ザ・ダーク』」 |
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この映画、手持ちカメラを多用してるため観ていて非常に疲れる。映画の構成上、章ごとに別 れていて、この章と章の間にスコットランドの美しい風景の静止画像が入り、そこに60〜70年代のロックがかかる時だけやっと一息つける感じだ。でも、あくまで気分はズーンと重い。正直いってこの映画を見終わった僕は“落ち”ていた。映画館を出ると、入ったときには明るかった渋谷の街がすでに暗くなっていて、おまけに雨がザンザン降っており、よりいっそう“落ち”た。この世の中に“救い”はあるのだろうか。あるとすればソレはいったいドコにあってドンナかたちをしているのだろうか。 舞台は北欧と思われるとある小さな工場町。そこで働くビョーク演じるセルマ。セルマは遺伝性の病気のため目があまりよく見えません。と、いうより盲目に近いくらいです。彼女には息子が一人います。息子も遺伝のため目がよくありません。若いうちに手術をしないとセルマのように目が見えなくなってしまいます。セルマは息子に手術を受けさせるため、毎日毎日莫大な手術費を稼ぐために小さな工場で一生懸命働きます。工場が終わった後も家で内職をします。なんでそんなに・・・・、この辺りでもう胸が痛くなってきます。 セルマはミュージカルが大好きです。きっと、彼女にとって嫌な現実から逃避できる唯一の方法なのでしょう。彼女の気持ちは映画が好きな僕はよくわかります。映画は現実を忘れさせてくれるのです。映画が始まって終わるまでのとても短い間だけど、嫌な現実からほんのちょっとだけ夢の世界に自分を引きずり込んでくれるのです。セルマはこの夢の気持ちが終わらないようにラストシーンは絶対に見ないようにしていると、映画の中で語ってくれます。ううっ、泣かせるじゃございませんか。先を急ぎます。 ある日、セルマのお金が盗まれます。それもセルマに親切だった人の手で。セルマはお金を返してほしいと、盗んだ人のところに行きます。そこで誤ってその人を打ち殺してしまいます。お金を取り戻したセルマはそのまま病院に行き、私の息子が来たら目の手術をしてほしい、と言伝てお金を病院に預けます。彼女はその後、捕まり、裁判を受け、死刑を宣告されます。死刑の日が一週間後に迫って来ました。セルマは怖くなります。死んで行くのがとてもとても怖いのです。そこにセルマの友人たちが雇ったある弁護士が刑務所のセルマのところへ訪ねてきます。その弁護士が言います。あなたが同意すれば一回だけ死刑の延期が認められ裁判のやり直しが出来る。セルマは嬉しくなりサインをしようとします。が、あることに気づきます。裁判の費用です。 この映画、セルマがいくつものつらい状況に陥るたび、彼女が“これは映画のワンシーンなんだ”と思い込もうとするため、ところどころミュージカルっぽくなります。それがまた、見ているこちらを谷底に突き落とします。いいよ、もういいよ。わざわざミュージカルにしなくていいよ。よけいツラクなるよ。そう、思ってしまうのです。とくにセルマが誤って、お金を盗んだ人を撃ってしまうところなんか、息子がいきなり登場して「ママはわるくない、仕方がなかったんだ」と自転車で庭をグルグルしながら歌うのです。なんだか僕は具合が悪くなってしまいました。涙腺も泣き過ぎてどうにかなってしまうし。倒れそうになりながら家路につきました。年間封切る映画の中で見なくてはいけない一本であることは確かな映画だけれど、もう一回見たいとは決して思わない映画である。ましてや年の初めの一発目に観る映画としてはもっとも不適切な映画であります。というわけで、皆さんラース・フォン・トリアー監督には気をつけましょう。
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