bo-bo-記 rec.0125 01.06.14



イメクラ取材・随行記」
  


「風俗求人誌なんやけど、文章書いてみいへんか」

ある日、風俗カメラマンの友人Kからそう言われました。

「文章ってどんな?」

「そやなー、風俗にまつわる“ちょっとイイ話”や」

「いいけど、あまり風俗関係は詳しくないでー、それになー、オラはなー、あんまりHすきやないねん。そんな文章書いたら恥ずかしゅうて、生きていけんようになるわ」

「子供が三人もおるくせによう言うわ」

「それやがな、あれは魔が差したんや。神様が試したんやろなー、いつもは理性がキチッと働いて,オナゴにいくら誘われてもビクともせえへん下半身なのにな。あの三回は失敗したわ。神様怒ってなー、二度と失敗せんように型として残したんやろうな、みごと命中して、その結果 があの三人の子供や。だからオラは人生三回だけや。あーあー、オラも人間や、堪忍してーな。誘うたオナゴが悪いんじゃー。」

「そんなこと言うてると前の奥さんに刺されるでー」

「もう刺されとるよ、グッサー(と倒れる)」

「(すぐに立ち上がり)でも、ほんまオラは風俗はそんなに知らんでー」

「そう思ってなー、今日は今からさっそく取材や、ついておいで」

「どこにいくのー」

「高田馬場や」

 着いたところは高田馬場から歩いて5分くらいのイメクラ。とりあえず待合室に通 されます。ここが、せまい、せまい。閉所恐怖症のオラはなんだか息苦しくなっちゃいます。ううううううっ、く、ぐるじい。気分を変えようと壁に貼ってあるコース内容を読んでおりますと。はーっ、今はいろんなコースがあるのですねー。まず乱寝、これはオンナの子が乱れて寝ているいうコース。ちょっとビックリしたのが携帯コースとショックコース。前者はオンナの子が携帯電話をかけている姿に欲情してプレイにスライドしていくコース。後者はショックを受けて泣いているオンナの子に欲情してプレイに進むコース。どうでもいいけど携帯電話をしているオナゴや泣いているオナゴによく欲情できるものだ。オラなんか泣いているオンナは怖くて仕方ないゾ。まっいいか。

 一人目のオンナの子はこの店ナンバー1のカナちゃん。  

「インタビューはお前がするのだぞー、その間に俺はシャッターを押す」

友人Kはそう命令します。  

「そ、そんな恥ずかしいぞー」 そうオラは言います。  

「イヤだったらナシにするかー、あんなに文章書きたい書きたい、ゆうとったのはどこのどいつや。文句云うんやったら話はナシや」  

「な、なんでもやらしてもらいま」

オラはペンとノーとで身構えます。  

「ほな、行こか」

Kがプレイ・ルームの扉を開けます。  

「こんにちは」

さすがにKは慣れています。挨拶からしてさりげない。それにひきかえオラは、  

「ここここここここここ・・・・」

緊張のあまり最初の言葉が出てきません。  

「こここんちわー」

やっと言葉が言えました。一言喋ってしまえばこちらのもの。いきなり相手との壁を取っ払ってしまえるのがオラのいいところ。オラはどんどん聞いていきます。そして数をこなすうちに、オラはすっかり永沢光雄(名著「風俗の人の著者」)。結局、訪ねたお店が3店舗。インタビューした相手が5人。気になった会話を取り上げてまとめてみると、

−好きな本は?
 「ゲーム本、『こちら亀有公園派出所前』、あと西原理英子の本」

−フーゾク入りのキッカケは?
 「拾われたんです、道端で、新宿の」

−やってみた感想は?
 「みんな悪い人じゃないやん」

−好きなタレントは?
 「安斉肇」

−好きなお客さんはどんな人?
 「煙草吸わない人。口の中、煙草臭い人は嫌」

−好きな男のタイプは?
 「『オレについてこい』と力強く言ってくれる人」

これを聞いた直後、早速言ってみるが、無反応だった。悲しい・・・・・。質問を続けます。

−どうされると感じます?
 「優しくソフトにゾワッとされるとイイ」

−得意プレーは?
 「長い舌を使ったフェラ。タマ・アナ・カリ・の三点責めの万華鏡」

−得意な料理は?
 「チヂミ」

−変わった場所でHしたことありますか?
 「予備校の授業中、階段で」

−いまやりたいことは?
 「いろんなライセンス(資格)を取りたい」

−あなたの変態経験は?
 「バイブでお散歩」

−はじめてのオナニーはいつ?
 「4歳。床にこすりつけていた」

−クリトリスの特徴は?
 「小さい、本当にチビッている。通称チビクリ・サンボ」

−今気になっていることは?
 「彼氏がバンドをやってるんだけど、それがファッション的にも音楽的にもとても格好悪くて、それを本人に伝えられないこと」

−フーゾクに入って失ったものは何?
 「多少の貞操観念、地味な金銭感覚、頻繁なオナニー」

−最後に今一番ほしいものは?
 「誠実さ」

−ありがとうございました。

 昼から始めたインタビューは終わってみれば6時を回っておりました。この日のインタビューをヒントに僕は「イン・ザ・プレイ・ルーム」という作品を書くことになりました。rec.0120・0121に書いたのはそのときの没原稿です。実際に「Witty pat」という雑誌に載った「イン・ザ・プレイルーム」は、もっと明るい話になっております。10話で完結です。雑誌でしか読めないので、本屋で立ち読みでもして下さい。ではでは。

 next rec.

 

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