bo-bo-記 rec.0133 01.08.31



抜き書き―『シャボン玉 ホリデー』他3冊」
  


◎五歩一勇『シャボン玉ホリデー/スターダストを、もう一度』(日本テレビ放送網株式会社)

P59
「〜やっぱりだいぶ経ってから、“やりたいこと”と“やらなきゃいけないこと ”は違うんだっていう・・・・・・それに気づいたとき、初めてプロ意識に徹 したというか。それまでは、バンドマン気質を引きずって生きてたと、そうい うことじゃないですかねェ」

N:「スーダラ節」を唄うことに、当時、ものすごい抵抗を感じた植木等の弁。 でも、アメリカだときっと“やりたいこと”と“やらなきゃいけないこと”がイコールになっている人が多いんだろうなぁ、と思います。うらまやしい。

P76
 ハナと桜井の関係もまた、独特の形を秘めていた。そもそもは病気で倒れたピアニスト、石橋エータローのピンチヒッターでクレージーキャッツに参加(昭和36年)した桜井。紹介したのは植木だったが、一年後にエータローが復帰した際、「そのまま残す」とメンバーを説得したのはハナだった。いわば“ハナの一言”で、その後の桜井の人生が決まった。
 平成5年9月12日に緊急放送された追悼番組『さようならハナ肇さん』の中で、桜井は落涙しながら惜別 の思いをこう語った。「そのときのお礼が死ぬまで言えなくて・・・・・。いつか言おう、いつか言お うと思いながら、とうとう直接には言えなくて・・・・・。最後に声をかけま した、『ハナちゃん、ありがとう』って・・・・・・」葉子(ハナ肇夫人)未亡人は、こう語る。「あの桜井さんの言葉には泣いた。それまで絶対に泣かないと決めていたのに・・ ・・・」

N:ええ、話やなぁー、泣けますわー。

◎松本人志『愛』(朝日新聞社)

P09
 離婚で慰謝料もろてるうちは、ダメでしょう。僕が結婚するときは、一筆書かしたろう思ってるんですよ。「別 れることもあるかもしれんけど、慰謝料は取らない」って。痛みは、どっちもいっしょやから。 

N:ウン、松本君に一票。僕も慰謝料は払いませんでした。まあ、僕の場合はお金がなかったということがありますけどね。

P24
 だから、結婚式とか葬式とか、できたら僕は極力行けへんようにしてるんですよ、あんなのウソやもんね。 葬式なんか、気持ちやからね。行っても気持ちがなかったら、行けへんほうがましやし、行けへんかってもちゃんと心の中に気持ちあったら、そっちのほうが絶対いい。

N:僕も冠婚葬祭はキライです。なんか、本当に嘘臭い気がしてしまうのです。先日も僕の知り合いが亡くなって、“なつかしむ会”などと、いうのがあったのですが。どうも行く気にならない。本人はもう亡くなってしまってるのに、いろんな人達が集まって来て、なかには久しぶりに会うやつなんかもいて、それで亡くなったそいつのことを語りながら、今の自分を少しアピールしつつ、自分はこういうところに来て死んだあいつのことを本当に悼んでいるんだ、みたいなフリをする。一体誰のために?なんのために?よくわからないのだ。というわけで、松本君に二票。

P31
 愛に飢えてるとやっぱ、屈折した人間になるでしょ。すなーおな子にはなれなかった。ものごとをなんやちょっとひねって、曲げて見るような子になりましたよね。ひとつのものを違う角度から見たり、子供のころからひねくれたものの見方をしてるっていうのは、絶対、笑いに通 じるもんがあるじゃないですか。屈折が笑いというものと出会って、いい形でほんまに出たんでしょうけどね。

N:まあ、愛に飢えているから表現などというものをするんですから、松本君の言っていることはもっともです。この文章の“笑い”を“表現”に換えて、僕は映像演技教室の生徒に話したことがある。でも、これがわからない人がいるのです。それも女優を目指している人で、わからない人がいるのです。じゃあ、アレですか、シアワセな人は女優をしてはいけないのですか。そういうとき、先生は本当に困ります。グスン。だって、シアワセな人は女優をすることはないじゃないか・・・シアワセなんだから。ココロのどこかが不幸だから女優とかになりたいのじゃないですか。それにアンタは本当にシアワセなのかしらん。そのように見えないのはアタシがきっと不幸なせいね・・・オヨヨ・・・

P62
僕もめちゃめちゃヤバイですよ。下手したら、社会と折り合いがついてない。

N:そういう人でないとやっていけないですよね、この世界は、ホンマ。逆に、無理に社会と折り合いをつけようとするから、頭がおかしくなったり、クスリに逃げたりするんでしょうなぁ。

P153
〜僕の知るお笑いタレントさんで、社交的な人なんてまずいないですよ。みんなすごい人見知りやし、まあ僕は特にひどいかもしれんけど、でもまあ僕に負けず劣らずみんな閉鎖的やし、外部の人間を中に絶対入れようとせえへんし。だから、「普段はおとなしいですね」とか、みんな言われてると思う。
 だいたい社交的とかそんなんで、お笑いなんてできるわけないですもん。やぱ、どっか一歩離れたとこから人間見てるような目線は絶対必要だし、人間の和の中に入り込んでしまった人間には、笑いは絶対できへんと思う。

N:僕もそう思うのですが、なんで表現の世界において、最近の若い人達や全体の流れが“和”の方へ、“和”の方へと向かうのでしょうか。僕には和 からない・・・。

P156
 人見知りって、どっか甘えでもあるわけですよ。「人見知りしてもええやん」っていう甘えがあるんでしょう、きっと。だから、死活問題、「ここで人見知りしてたら死活問題やぞ」っていうことになってくると、仕事とかセックスとか、そういうものが前に立ちはだかった時には、「人見知りしててもしゃあないで」ってなるわけですね。
 女に関していえば、セックスが終わったらちょっとしゃべりにくくなったりするもん。パワーダウンするんですね。人見知りのほうが勝ってくるんですよ、射精したことで。そういうの、あるね。

N:“人見知り”ってただの“ワガママ”ですからね。いい意味でも、悪い意 味でもね。僕はそう思います。だから僕はとてもワガママです。

◎立川談志『談志ひとり会 文句と御託』(講談社)

P112
 人間、「食って、寝て、やって、チョン」と山口洋子が言ってたが、所詮「処理してお終い」と思う。いま作品と意見と冷蔵庫の中の食い物を処理している。最後は己を処理してお終い。

N:でも師匠、人間てヤツは己を処理できるのでしょうか?すでに処理能力が 低下の一途を辿っているように思うのですが・・・。

P113
 人間、金があっても、本当にしたいことが出来るものか。出来まい・・・・。
 やっている連中は、他人が“したい事”と思っていることをしているだけである。

N:うん、ツライな、そんなこと言われると。でも、“したい事”があるだけで、それはシアワセかもしれない、ウン。

P145  この節、何でも手に入るし、「入るものは手にいれないと人間ではない」といわんばかりの生き方だし、欲しがりようだ。

N:みんな欲張り過ぎて、本当に欲しいものが見えなくなっておりますねー。じゃぁ、オラは何が欲しいのか・・・それは・・・ナイショです。

P262
 人間の勝っ手さ、いい加減さは、「どこにも安定なんて見つけられないのだろう」。“あっちの水は甘いゾォ”と聞こえてくると、もう駄 目なのだ。せっかく充分に時間がとってあるのに、何かその地から他に行きたくなる。

N:なんだろう、人間ってやつは一生現実から逃避したがるのかなー、イヤダ なぁー。

P277
“神戸が燃えてる”のも“死んだ”のも本当だろう。けど、くどいようだがそれがテレビに映ると嘘になってしまう。「テレビの出来事」なのである。

N:そうなの、テレビの中のことは全て非現実に見えてくるのです、事実すらもね。

P358
けど、若くしての死だけど、景山民夫は充分に人生を生きた。
けど、けど、奴ァ、“失敗った、焼け死んじゃったい”ときっと言ったに違いない。
常に己を客観的に見ているようにも思えたが、宗教といい、この事故といい、所詮人間己に対して客観なんてないのだろう。
そのことについて、景山とゆっくりと話をしたい、と思うのだけれど・・・・。

N:ないのか!やっぱり!客観なんて!・・・・そ、そんな・・・・ほんとうなのか・・・・・ああ、きびしい・・・・。

P412
 あのネェ、つまりィ・・・あのォ・・・だからァー、人間不安定なのだ、安定しないのだから、それに居直るか。
 もっと言うと、不安定なところにしか居られない、嫌でも何でも人間不安定なのだから・・・違うなァ・・・不安定でないと生きられない、不愉快だけど不安定な場所にしか居られない。安定にも大安にも所詮不安定なのである。

N:じゃあ、やっぱり、安心立命なんてのは言葉だけなのね。

◎藤本儀一『東西あきんど大學 上』KKダイナミックセラーズ

P181
 関東のヒモと関西のヒモの違いについて聞いてみた。 
 すると、林君は、うーんと天井を仰いで腕を組み、
 「ま、それぞれありますが・・・中略・・・関東はゴムヒモ、関西はサナダヒモ」といったものだ。
 ゴムヒモというのは伸びたり縮んだりで、やさしく振舞う時と乱暴に及んだりして落差が激しく、サナダヒモの場合は、一定の長さ(距離)を置いて愛しさをかけることを忘れない精神ということだといった。
 ゴムヒモは感情演出型であり、サナダヒモは人情不変なのだという。

N:オラはドッチかなー、と思ったら、名古屋出身ということも関係があるのか、サナダヒモとゴムヒモの中間らしいと考えられる。ということで、サナダゴムヒモ(真田幸村)で、どうでしょう。ウーン苦しい。

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