|
◎本橋信宏『フルーツの夜』(河出書房新社)
P56
「夕暮れどきっていうのが女の子が一番乗ってきやすいんですよ」
「心理学にもあったな。夕暮れどきは精神状態が不安定になるって」
「それから午前中のデパート。この時間帯に売場にいる子は何もやることない、暇で暇でしかたがないって子なんですよ。狙い目っていうのがあるんですよ。服装がどこかアンバランスな子。完成されたおしゃれな子ってむずかしいんです。ちょっと磨けば光るって子が落ちる確立高いんです。それからどういうわけだか靴が汚い子。なぜだかわからないけど落ちるんですよ。先輩、分析できませんか」
「靴が汚い子か・・・。ちょっとわからないな」
N:「スカウトマン」という、AV女優のスカウトマンのお話しより。
きっと靴の汚い子はよく歩く→よく歩く子は独りで空想するのが好き→空想癖のある子は自分を虚構の世界に置きたがる→虚構の世界に自分を置きたがる子は芸術方面
か風俗方面に行く。どちらに進むかはキッカケ次第。これがもし、芸能プロダクションのスカウトマンだったら、きっとそっちの世界に入るのでしょう・・・たぶん、ですけど。
P145
「人間は無視されるのが一番つらいもんな。人間は自己存在証明の欲求っていうのがあるんだろうな」
N:これも「スカウトマン」より。
世の中にいつまでも自分のことを無視しないで見守ってくれる人がいます。
それは母親です。母親のいない僕は表現活動をしてみんなに無視されない ように生きています。皆さん無視しないで下さい。
P172
「不安発作はのんびりしたときに襲ってくるもんです。〜中略〜むしろ人間と
いうのは忙しいときは余計なことを考えないから神経症には陥らない。いろんなことを考える余裕ができると人間は普段考えなくていい根元的な不安を感じ取ってしまうものです」
N:と人はよく言うけれど、僕はものすごく忙しい最中に襲ってくる不安感が
世の中で二番目に怖いモノと思っています。えっ、一番はなんだって?そ れは、女の人です。ああ、怖い怖い。
◎大槻ケンヂ『読みだおれ』(イースト・プレス社)
P222
いつの世もすべての若き野郎の悩みはわずか3つに限定されているからなのだ。
「オレって何?」
「オレってこの先どうなるの?」
「オレってどうすりゃ女にもてるの?」
の3つ。
N:男はバカです。この“オレ”という言葉を“ポコチン”に置き換えてみて下さい。意味合いはまったくかわりません。したがって“オレ”は“ポコチン”なのです。これいかに。
◎和田誠・森遊机『光と嘘、真実と影 市川崑監督作品を語る』(河出書房新社)
P257
和田 だけど好きになってひいき目でみちゃうと、なんでもいいんだよね。笠置衆さんだって決して上手な役者ではなかったと思う。でも小津映画でああいうふうに使われると、もはや名優ですね。
N:浜村純さんという俳優さんを和田さんは下手であると、森さんはそこがいいと、対談している最中での和田さんの言葉。同じ浜村純でも関西の、こ
んばんは浜村純です、の人ではありません。でもこの、こんばんは〜、の人も、その昔、山田太一のドラマ『想い出づくり』の第1回目にインチキ商
法のセールスマン役で好演していました。このとき、ちなみに戸川純さん もエキストラで出演していました。一度御覧あれ、出色のデキです。そのことを以前玉
姫様にお話ししたら大変お喜ばれました。めでたしめでたし。
P302 「映画は所詮、光と影だと思います。美しさ、眩しさ、きびしさ、はかなさ、それらの光と影によって、人間が、人生が描出されるのです。私はいつも光と影を大切にしようと心がけています。その光と影は、尽き果
てることのない永遠のものだと思います」
N:うーん、そーですよね。ふかーいお言葉ですよね。いいですよね、市川崑
は。ちなみに僕の市川作品ベストワンは股旅です。
◎わかぎえふ『男体動物―若旦那に愛をこめて』(講談社)
P54
彼は言った。「心が狭くなる前に小さなトゲは抜け」と。友達と楽しく生きるコツは最初に感じた小さなトラブルを素早く解決することだというのだ。日本人は優しすぎて言わないから問題を大きくするらしい。胸の痛い一言だ。
〜中略〜
エッチ度も洒落がきいていて「トルコの男は鼻の大きさとアレの大きさが比例しているんだ」と言って自分の大きな鼻を自慢気に触ってみせたりした。
N:ここに出てくる“彼”はわかぎさんがトルコに旅行に行ったときに知り合ったドライバーのTさんのお話らしい。
日本人は“優しすぎて”言わないのではなくて、面倒臭かったり格好つけシイだから言わないのです。あと鼻の話はなんですけど、僕の知り合いにコカインの吸い過ぎで鼻が溶けてしまった人がいて、現在彼の鼻はこの世に存在していないのですが、彼の巨大ポコチンは無事だそーです。よかったよかった。
P80
「演技をしている時はどうやって役をつくるのか?」これも聞いてみた。
「すごく簡単なことだ」彼はいってのけた。
「その人の人生を思えば簡単に入っていける」
〜中略〜
世界中の役者達が役作りに苦労しているのに、アッサリしたものだ。
N:わかぎさんがレオン・カーフェイにインタビューしたときのお話し。
それにしてはレオンの演技はクサイぞ。あっ、わかった。きっと、彼の演じる役の設定がクサイのだ。きっとそーだ。そーゆーことにしておこう。
◎鈴木輝一郎『吠えず芸せず咬みつかず』(河出書房新社)
P124
通販のカタログをひろげて指さした先に、デニムの着流しがあった。
「よかろう。これで手を打つ」
N:このエッセイは作家の鈴木さんが飼っているカメとドンパという犬のお話しです。このエッセイの中で鈴木さんは締め切りが近くなるとほとんど家に籠もっていてめったに外出することがないそーです。だからそんなときは一日中トトロの着ぐるみパジャマで過ごしてるそーです(これだけでもかなりヘンです)。でもまさか犬の散歩にトトロを着て行くと変人にみられるからとデニムの着流しを通
販で買ったのでした。僕はデニムの着流しの方がヘンだと思うのですがどうでしょう。だって、デニムでっせ、着流しでっせ、さあ、どうだ。ヘンなのは何だ。
話はかわって、僕は鈴木さんとは昔会ったことがあります。それは名古屋テレビ製作のドラマ「ご立派すぎて」という番組の収録で作者の鈴木さんがゲスト出演したときでした。その日の鈴木さんは正月でもないのに着物姿でした。なななななななぜー?そう思いつつも僕はその理由を鈴木さんに聞けませんでした。でも、今回その理由がはっきりわかりました。好みだったのです。ただ単純に鈴木さんの好みだったのです。シンプルな理由です。誰かに脅迫されているとか、倒錯的な何かがあるとか、そーいう意味はまったくなかったのです。トトロの着ぐるみとデニムの着流しは鈴木さんの好みだったのです。ちなみに僕と鈴木さんは同い年です。ではでは。
P132 〜幸福の自覚は繁閑に関係ないが、不幸は暇なときに思いだし、多忙なときに忘れる。
N:いやいや、多忙なときに思いだす“不幸”ほど不幸なことはない。これに遭遇すると間違いなく“落ちる”、そしてどこまでも・・・・。
next rec.
|