bo-bo-記 rec.0170 03.08.06



「悲しき中年(その二)」

  


 近況報告を続けます。
この四月からたった五回ではありますが、僕は大学の特別講師を勤めました。場所は家から電車とバスを乗り継いで2時間はかかる埼玉の山奥にある大学。授業のテーマは、表現者による演技トレーニング。
この、ほとんど何をやっていいのかわからない御題をもらって、僕がやったことといえば、台本を使って台詞を読んでもらい、それをDVDカメラで撮影をしたこと。それだけ。あとは、キャアキャアと言いながら生徒と笑っていただけ。生徒の方もきっと、よく笑う先生だなぁ、というぐらいの印象しかなかっただろう。しかし、僕はこの大学通いが好きだった。 僕は過去に大学に入ったことがある。日大芸術学部演劇学科舞台美術コース。

 あれから20年以上の月日が経った。埼玉の大学に通う学生は明るくて、何も考えていないように見える現代の若者だった。先のことなんか考えず、ただブラブラと大学生活を送り、その時期が来たら、そのときだけ、ちょっとだけマジになって就職活動をする。そんな人生を昔は頭から否定をしていた。だけど、今は違う。そういうのが俗に言うフツウというやつで、フツウのシアワセになれる方法なのだとなんとなくわかる。だから、いまこうやって大学生と接してみて思うことは、僕もやっぱりフツウに大学に通い、フツウのキャンパスライフを送り、フツウに就職がしてみたかったと。そんなことを思いながら、僕は彼らの姿に自分を写していた。   
それがとても楽しかった。だって、人生、深く悩むことなんかないんだもの。別に嫌みでもなんでもなく、あれはあれで彼らの生きる術なのです。 と、書いては見たものの、よくよく考えてみると、僕にはやっぱりそれは無理かもね。ハハハハ(笑)・・・・・・悲しいかな。

 next rec.

 

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