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bo-bo-記 rec.0084 00.11.29 「エンゲキ=[mne.george]のころ(11)」 |
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なんだか芝居の稽古のようになって来た。
少し考えてるようだ。考えてくれればこちらのもんだ。衝動的にせよ死ぬことはないだろう。
受話器を置いた僕はドッと疲れていた。 翌日、アンナは稽古に来なかった。僕とFとノブ子はアンナの家に行ってみることにした。渋谷から富ケ谷の交差点を環六に入り、中目黒方面
に数百メートル行くと右手にアンナが住んでるマンションが見えた。僕たちはマンション前に車を止め。小さくて狭苦しいエレベーターで4階まで行き、ノブ子がチャイムを押した。
彼女の声が感情的になっているのがわかる。
テレビドラマに出てくる態度の悪い刑事のように、歓迎されていないと知りつつ僕たちは、玄関の扉から身体をすばやく室内に滑り込ませた。
ノブ子がル・ヴァンで買ったおいしいパンを差し出した。
なんだよ、大の大人がお前のためにノコノコ時間を割いて来てやってるんだよ。どうもはないだろう、どうもは。それにここのパンは天然酵母で高いんだぞ。わかっておるのか。と、思ったが。
頭にキテはいるが、優しく聞いてみた。
ゆっくり話し始めたアンナの言い分はだいたいわかった。所属事務所、レコード会社、実家のご両親との確執、いずれもうまくいっていないこと。でもそんなことは誰もが抱えている問題。アンナだけが特別 に不幸なわけではない。でも本人にしてはお先真っ暗。夢も希望もなし。それで誰かに甘えたくなって。もう芝居なんかできないー、生きてるのいやー、死にたいー、となってしまったわけだ。こーゆう個人的な問題は、誰かが話を聞いてあげさえすれば本人の気は随分収まるわけで。アンナの場合も話を聞いてあげてるうちに彼女はだんだんと落ち着きを取り戻して来た。ヤレヤレ。これだから女優は困る。本当にワガママちゃんが多い。子供のようにみんなで心配をしてあげないと満足しないのだ。トホホホ。オラはもうこんなことには付き合いたくないゾ、と思いつつもここは芝居のため。グッとこらえて我慢我慢。
最後にそう言ってアンナのマンションを僕たちは後にした。
舌の根も乾かないうちにこれだ。だから大人は信用できない。本当にひどい人だよオラは。
こういうときは行動も早くなる。Fは携帯で何処かに連絡を取り始める。
同じ女性であるノブ子が言うのだからそうに違いないのだろう。
まるで女衒のようなFに僕はプロデューサーとしての信頼と人としての不信感を同時に持った。 次の日、「X」にプロデューサーのFが連れて来た女の子はアンナよりもグッと大人っぽくて女らしい人でした。 →next rec. |
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