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bo-bo-記 rec.0085 00.12.03 「エンゲキ=[mne.george]のころ(12)」 |
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アンナの台詞を違う女の子が喋っている。悪くはないがやはりこの芝居は良くも悪くもアンナの魂が入ってしまっているようで。聞いていて、あまり居心地は良くありません。
K子は台本から目を離しこちらを見る。緊張感で少し湿った瞳が色っぽい。
オ・オラと燃えないかい。もちろんそんなこと言う勇気もなく。返事は明日しますと言って、その日は彼女には帰ってもらった。
Fが尋ねる。
Fに頭を下げた。 僕は「X」を出て、夜の渋谷の街を歩いた。落ち葉が舞い始めている道は冷たく、人を受け入れてはくれないようで、歩いていると何かが刺さってくるようだ。僕は公衆電話を探し武蔵野君の家に電話をかけた。
何をしているんだ、と思った。自分で女優はアンナにしてくれと言っておいて、ちょっとトラブルがあると違う女を連れて来いと言い。連れて来たら来たで今度はアンナを手放すのが惜しくなる。でもトラブルはイヤだ。誰かアンナと付き合ってくれないか。それで武蔵野君に電話をする。まったく情けない男だよ、オレは、ほとほと自分がイヤになる。こんなオレについて来てくれている役者やスタッフに申し訳なくなってくる。いつかオレは誰かに恨まれて殺されちまうよと、そんな気持ちで半蔵門線の渋谷駅でボーッと人込みの中でつっ立っていた。手足が冷たくなり目眩がして息苦しくなってくる。瞳孔が開いて行くのがわかり、頭がパニック状態と化しおもいっきり走って地上に出る。ハァハァハァハァと過呼吸の状態が続く。人々が異様な眼でこちらに目をやり通 り過ぎていく。誰も助けてはくれない。アスファルトに頬をつけてみると鉄のように冷たく、10月の夜の闇が自分に殴りがかってくるようで、とても恐かった。 →next rec. |
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