|
|
bo-bo-記 rec.0089 00.12.09 「エンゲキ=[mne.george]のころ(16)」 |
| |
さて、初めての通し稽古だ。今日はFもノブ子も来ている。初めての通し稽古は全然うまくいかないものだが。ある程度本番に向けての物差しにはなる。
初めての通し稽古は三時間もかかってしまった。正味一時間の芝居が三時間だ。それでも役者陣は丁寧に気持ちを大事にして演じてくれた。うん、大丈夫だ。僕はある程度の自信を持った。役者陣が帰った後、Fとノブ子と僕の三人でなんとなくミーティングになった。 「ちょっと、芝居クサイんじゃないんですか。」 等々。 いろいろ言われた。でも、この日僕がとても気になったことはFが発した。
この一言だった。
僕は確信を持ってそう言った。もちろんFの言うことは、よくわかっていた。彼はみんなで同じ意識の下、船を港に入れたいのだ。僕も今まではそうだった。でも今回、Fやノブ子、そしてみんなと出会って考え方が変わった。こいつらとならバラバラにはならない。行けるところまで行ってみたい。そこが海の上で、たとえ難破したとしても、それもいいではないか。一度でいいから目的地を決めずに航海したかった。だからこそ台本も思い切って没収したのだ。もう僕たちは地図を捨ててしまった。あとはその日の風に聞いてくれ。芝居なんて、たかだか現実逃避している人間たちが創り出す錯覚に過ぎない。どうせ見るなら大いなる錯覚を見たいではないか。 納得出来ないのか、Fはしきりにアゴをさすっている。ノブ子は愛煙のジタンに火を点ける。僕は今日の通 しのダメ出しの整理を頭の中で始めていた。 →next rec. |
|
|
|
| (C)ChildishWorks&PlayHouse 2000, All rights reserved. |
HOME|Profile|Activity|What's bo-bo-|bo-bo-record|Mailmagazine |