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「 まな板石 」
 宿の海岸沿いの道路に不思議な形の記念碑がある。
 1.8メートル四方(正方形)、厚さ30センチの笏谷石を二枚、菱形のように不安定な格好で、石垣で作られた台座部分に並べ乗せている記念碑。その台座部分には、表と裏に、それぞれ銅版が埋め込まれている。

 表の銅版に彫られた内容は
 「三国港修築記念碑 
 昭和四年度以降三年継続事業として、工事費拾四万円をついやし、河口の水面五千余坪を埋めたて築港を造り、商業、漁業の発展を図る 
 市村慶三・斎藤直橘・小浜浄鉱・大達茂雄(歴代福井県知事名)」。
 
裏の銅版に彫られた内容には、この石にまつわる二つの伝説、そして最後に「・・・漁港開築の記念に謎のまま、永遠に残したいものと希がって居ります。 昭和七年四月十日 株式会社 飛鳥組 代表 飛鳥文吉」とある。

 それでは、この二つの伝説とは?


一、 北海道のさる物もちから庭石にと注文を受けながら、年に一度の出船に間に合わなかったので、そのまま港口に捨てられ長い間恨みをのんで埋もれていた。

二、 福井藩主松平忠直卿(一伯さん)の乱交沙汰の節、はらみ女を切った台石に使われていたのを、恨みの妖魔として河口深く埋もれていた。




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